No.108_“ミモザの風”、そしてチョコレートと“プルミエ”

今回は二つのブレンド“ミモザの風”と“プルミエ”をご紹介させて頂きたいのですが、その前に今回の写真について...この写真は店の近く宇喜田(うきた)公園入り口に咲いているミモザです。ミモザの小さく可憐なふわふわした花は、ホント繊細で美しいです。また濁りのない鮮やかな黄色に目を奪われますが、葉の緑とのコントラストが絶妙!。そして咲く前の小さな粒々の蕾までが可愛らしい。春の訪れを真っ先に知らせてくれる、何か元気をもらえる大好きな花です。

ブレンド“ミモザの風”は[開店記念ブレンド]として発売させて頂いたものですが、今年もそんな時期になりましたので、再登場です^ ^。いろどりこーひーは、2021年3月25日に開店しましたが、ちょうどその時期、ミモザが満開だったこともあってその花のイメージと開店のワクワク、晴れ晴れした心持ちを重ねて作ったブレンドです。モカ・ハマをベースに『華やかな明るい香り 滑らかな口当たり』が特徴の華やか系ブレンドです。

そしてもう一つのブレンドは新登場の“プルミエ”です。前述の“ミモザの風”とは被らない風味にしようと深煎りしっかり系ブレンドを前提に検討開始しましたが、その過程で登場したイメージがチョコレートで言うと『スイートチョコレートのような!』というものです。

ここで話はちょいとチョコレートにソレますが...

チョコレートの原料となるカカオ豆はカカオの木になる実[カカオポッド]の種で、チョコレートを作るにはそれを発酵、乾燥、焙煎するところから始まります。そして焙煎されたカカオ豆を砕いたものが[カカオニブ]。カカオニブにはポリフェノールの他、カフェインも含んでいるんですね...そして産地(コートジボワール、ガーナ、エクアドル、インドネシア他)毎に品種、風味が違う(特色がある)と言うことですから、焙煎コーヒー豆作りの立場からも興味、共感を覚える世界です。

実は木の生息エリアも似ていて、コーヒーはコーヒベルトと呼ばれる赤道を中心とした南北緯25°以内のエリアで収穫されますが、カカオはそれより少しだけ狭い、南北緯20°以内のエリアで収穫されているようです。ただ気候条件は異なりコーヒーの木は高地の15℃〜25℃辺りの寒暖差が適していますが、カカオの木は低地で27℃前後の高温、多雨なエリアが適しているとのことです。

チョコレートの製法に話を戻すとこのカカオニブを潰してペースト状にしたものが[カカオマス]、同時にそこから取れる油分が[カカオバター]。これらを原料に色々なタイプのチョコレートが製造されて行くわけですが、乳成分、糖分を加えると[ミルクチョコレート]に。カカオマスを加えず、カカオバター、乳成分、糖分で作ると[ホワイトチョコレート]に。またカカオ◯◯%を謳う[ハイカカオチョコレート(ビターチョコレート)]は、逆に乳成分を加えず、カカオマス比率高め(これにより糖分比率低め)でビター感や苦味感が持ち味です。そして最後が[スイートチョコレート]と称される範疇。これは、ハイカカオチョコレート同様、乳成分は加えず、一方でカカオ比率を50%前後に抑える代わりに糖分比率を上げて、適度な甘さを備えながらカカオ感も楽しめるチョコレートです。

ここでようやくブレンド“プルミエ”に話が戻せますw。プルミエはそんなスイートチョコレートをイメージして、適度な苦味、ビター感が柔らかな甘さとバランスしながら感じられる...そんなブレンドとして仕上がりました。前述の“ミモザの風”とは好対照の風味を持っていますので、その日の気分や時間帯で飲み分け頂くのも楽しいかと思います。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

   バックナンバーは、コチラ■