No.126_アンリ・マティス

先日、マティス展(@東京都美術館)を観て来ました。

アンリ・マティス回顧展の形ですので、時代を追ってマティスの作風の変遷が見て取れて、とても興味深かったです。また絵画の他、素描、彫刻、版画、切り絵等も展示されていてマティスの多彩さ、そして多才さに改めて感動しました。

美術展は結構頻繁に行きます。通っていて思うのですが、“本物”を目の当たりに触れることが僕は好きなようです。何10年、100年、200年前に書かれた本物の絵(作品)を今、この目で見ている。そんなことに凄く心動かされます。その絵を見て解説は出来ませんが、やはり何か感じるものがある。それがとってもイイです。

僕が美術館通いを始めたのは、30歳を過ぎた辺りからですが、これは本当にひょんなきっかけからでした。

因みに僕はこの店を始めるまでは設計監理の仕事をしておりましたが、当時、建築主の方(病院の女性理事長)が大の芸術好きでヨーロッパの旅行話や、絵画、オペラに至るまで話題はとても多岐に渡り、とても高尚(苦笑)でしたが、正直どの話題にも自分は付いて行けませんでした。(同席した上司、同僚が的確に応対しておりました...)

そこで『これじゃいかん!』と思い立ち、先ずはお手軽に始められる美術館通いが始まったわけです。以来、色々な美術展に行っては、次に理事長に会った時『○○美術展に行って来ました。○○が○○でした!』なんて、感じたことを伝えていたら、その何倍も蘊蓄が返ってきて、これまた思考停止になって、また違う美術展に行くという繰り返しでした。すると不思議なもので自分なりに好きなジャンル、好きな芸術家が固まって行くものです。興味を抱き始めたら今度はその世界にのめり込んで行った...そして今に至る。そんな感じです。

因みに僕の別の趣味に寄席通い、落語を観るというのもありますが、これも数十年前にご一緒した別の建築主とのやりとりがきっかけです。

話を絵画の話に戻しますが、僕の一番のお気に入りはクロード・モネです。あのなんとも言えない淡い陽に包まれた柔らかな、優しい情景は、どれもこれもホントうっとりしてしまいます。『うわぁー、いいなぁー...』モネの絵を見ると、どれもそんなことを呟きながら見入ってしまいます。

そうそう、前述の理事長と何年も経てから再会する機会があったのですが、いろいろお話しして行く中で『青は藍より出て藍より青しね』って言われた時は、それが冗談、からかっていると分かっていても嬉しかったのを思い出しました。(^^;;

店に掲げている絵(ポスターですが)も、マティスのJAZZシリーズに切り替わりました。^ ^

 

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