No.154_焙煎は科学!

科学のキモはしばしば再現性と言われます。(他に実証性、客観性も)

この科学をテーマにするに当たり、僕もいくつか言葉を検索、調べてみました。

まず “科学”とはですが、一定の目的・方法のもとに種々の事象を研究する認識活動。研究対象または研究方法のうえで、自然科学、社会科学、人文科学などに分類される。狭義では自然科学だけをさすことがある。(コトバンク)』とありました。

また、“科学的”を調べると『1つ目はある事柄について考えたり調べたりする時、その方法が同じならば、いつ・どこで・誰であったとしても、同じ答えや結果にたどり着くこと。これは再現性という性質。2 つ目は、原因と結果の関係がきちんとあるということ。これは因果関係という性質。(京都大学HP)』

今回何故こんなテーマを題材にしたかというと、僕は予てから『焙煎は科学!』と思いながら日々の焙煎を行なっているからです。焙煎においてもこの『再現性』、『因果関係』と言うキーワードがとても重要なのです。

焙煎する環境(店内の温湿度、豆の種類、豆の状態)はいろいろ変わりますが、それぞれの豆の出来上がりは常に一定でなくてはなりません。

店内の温湿度は春夏秋冬変化しますし、昨日は晴れ、今日は雨というだけでも環境(=焙煎条件)は異なります。豆(生豆)も種類が変わるとその大きさ、硬さ(組織の蜜実度)、保持している水分量も異なるので、焙煎の進行に応じて加えるカロリー(熱量、進行時間当たりに加える火力)も異なります(変えて対応します)。因みに同じ豆種でもニュークロップに切り替わるだけで変化します。(コーヒーも農作物ですので、コメに例えると新米に切り替わるといったものです。) 

科学の世界において再現性を以て実証していく対象は様々ですが、総じて目に見えるもの(事象、状況、状態)だと思うのですが、焙煎の場合は『味』です。言い換えると『美味しさ』です。その判断には味覚が伴わなくてはいけません。

再現性を極めることと味覚を極めることは、言わば車の両輪です。実に奥が深く、取り組み甲斐のある世界です。『焙煎は科学!』を胸にこの取り組みは果てしなく続きます。

 

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