No.187_焙煎中のコーヒーの香り
『コーヒーの香り』と聞くと、どんな香りが最初に浮かびますか?
『コーヒーを飲もうと口をカップに近づけた時、ふっと香る香り』、『コーヒー豆を粉に挽くときに部屋中に広がるなんとも言えない幸せな香り』、『豆(or粉)が入っている袋(orキャニスター)を開けたときにふっと広がる香り』...どれもホットする、安らぐ、あ〜ぁ いいなぁ〜って香りですね!
これらの香りは僕もホント大好きです。(それ故、焙煎豆屋をやっていると言うのもあるのですが...)
そして実は...焙煎をしていると触れられる更なるコーヒーの香りと言うのがあります!
焙煎は100℃以下の窯内温度の時、生豆を投入し、(豆種により多少の差異はありますが、)200数十℃までヤキ進んだところで煎り止めして、窯から外に出します。
この間、165℃を過ぎた辺りからなんとも言えない“イイ香り”が、部屋の中に漂い始めます。
『つぶやきNo.155_焙煎は化学!』にも少し書きましたが、焙煎中の一番肝になる化学変化(①糖分のカラメル化、②メイラード反応、③ディープフライフレーバー化)は、この辺りの温度(165℃〜180℃辺り)で集中的に起きます。この間漂う香りが本当に心地よく、開店前の朝、一人で店で焙煎しながら、(細やかな)『役得だなぁ〜』なんてつぶやきながら香りに浸っています。(笑)
そしてもう一場面、焙煎直後に行う豆の目視チェック(ハンドピック)作業中のことなのですが...
焙煎直後の豆は、焙煎機の冷却器(タライ状の部分)で撹拌しながら冷ました後、一旦、プラスチックケース(今回添付した写真)に移します。
その後、このケースの蓋を開け、(『つぶやきNo.72_焙煎直後の豆チェック』に写真掲載されている)取っ手付きカップで豆をスクって、その豆を盆の上に広げて目視チェックしているのですが、前述の『ケースの蓋を開け』のタイミングでフワッと広がるヤキたての豆のディープフライフレーバーは、えも言われぬ超大好きな香りです!!この時ばかりは、思わず鼻から胸いっぱい香りを吸い込んでしまいます(笑)。ちなみにこのディープフライフレーバーと言うのは、コーヒーに限ったことではなくて、寧ろフライ料理を揚げるときの香ばしさを伴った食欲をそそる香りとして、みなさん体験されていると思います。
と言うわけで、今回は普段お客さまは触れられない焙煎中の豆の香りについてご紹介させて頂きました。ここでイイ香りに仕上がると、ひいてはお客さまが手にする、そして口にするコーヒーの香りも(風味も)素晴らしいものになりますので、そんなことを胸に、自身も楽しみながら日々焙煎に勤しんでおります。^ ^
いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。