No.213_パルプドナチュラル(ハニープロセス)
前回(No.212)、ブラジル・ハニーをご紹介させて頂いた中で、「この豆の精製方法はパルプドナチュラル(通称ハニー・プロセス)です」とご説明させて頂きましたが、今回はこれをもう少し詳しくご紹介させて頂きたいと思います
その前段として「精製方法」という言葉を先ずご説明しなければなりません。一言で言うと「果実から種子を取り出す方法」となります
(ご存知かとは思いますが)コーヒー豆は、マメと書きますが、実際は小豆(あずき)やソラマメのようなマメ科の豆ではなくて、さくらんぼの様な果実の種子(タネ)です
精製方法を大別するとナチュラル、ウォッシュド、パルプドナチュラル等があります
①ナチュラル式(果実のまま乾燥)
赤い実のまま、天日干し、その後、脱殻(だっかく)=殻を割って中の種子(コーヒー生豆)を取り出す(今回の写真の上段がその乾燥風景です)
特徴:乾燥中、果肉のフルーティさが種子(コーヒー生豆)に取り込まれる(発酵が作用)。水資源が乏しい地域でも精製可能。果肉が付いている分、乾燥にも日数(約3週間以上)を要す。放置すると発酵を通り越してカビが生じてしまうので、頻繁に(1日3度以上)撹拌が必要。良い豆作りには手間が掛かります
いろどりこーひーでは、ゲデブ・ナチュラル、ブラジル・スルデミナスがこの方式です
②ウォッシュド式(果肉を水で洗い流し、殻の状態で乾燥)
赤い実を皮剥き機(パルパー又はミューシレージリムーバー)でザッと剥いてから、水槽(発酵槽)に2〜3日漬けた後、水の流れる側溝で揉むように果肉を綺麗に落として、殻の状態で約2〜3週間天日干し(今回の写真の下段がその風景。殻付きのギンナンを乾燥させるようなイメージです)。因みにミューシレージとは果肉のヌルヌルした部分のことです
特徴:発酵槽での発酵を通して、果肉のフルーティさが種子(コーヒー生豆)に取り込まれる。乾燥は果肉を綺麗に除いた殻状態で行うので、①ナチュラル式よりは撹拌管理の手間も少なく、乾燥期間も短め(2〜3週間程度)。これによりクリーンで澄み切った風味のコーヒー豆が出来上がる。大量の水を要するので、水資源が乏しい地域では採用出来ない精製方法。また、果肉の混ざった排水も大量に出るので、その処理システムも必要
いろどりこーひーでは、グァテマラ、ケニア、タンザニア、エルサルバドル、コロンビア、モカ・ハマがこの方式です
③パルプドナチュラル(通称ハニープロセス)
赤い実を皮剥き機(パルパー又はミューシレージリムーバー)でザッと剥いたら、そのまま、約2〜3週間ほど天日干し。①、②の中間的な精製法とも言えます
特徴:スッキリ感と甘さのバランスが取れた風味。ヌルヌルのミューシレージ付きの状態で乾燥を進めるので、その撹拌等生産者にとっては管理、手間が大変
いろどりこーひーでは、ブラジル・ハニーのみがこの方式です。ここまで読んで「ん?マンデリンが出てこないぞ!」と気付かれた方はいろどり通ですね!(笑)、実はマンデリンは前述の3つの精製方法とは別の手順を経るため「スマトラ式」と呼ばれ、一線を画しています。こちらはまたの機会にご説明させて頂きますね
ところでこのハニープロセスの名の由来ですが、スペイン語起源のようです。スペイン語でミューシレージのことをMielと言うそうですが、このMielは、同国では同音異義語で蜂蜜の意味もあるそうです。そこに端を発し、アメリカでハニープロセスと呼ぶようになったとのことです。でもなぜスペイン語から?と思ったのですが、この精製方法の発祥は中米コスタリカだそうで、そのコスタリカの公用語がスペイン語であることが理由のようです
一方で、この由来も更に調べてみると諸説あるようで、「ミューシレージの粘着度、色、香りが蜂蜜みたい」と言うのもありました。と言うわけでハニープロセスと言っても、「それで蜂蜜風味になります」と言うことではないんですね...^^;
とは言え、前述のようにミューシレージが付いた状態で乾燥させるこの精製方法は、独特の風味(個性、複雑さ)を育むことに大きく寄与しています
ここまで色々説明してきましたが、お客さまにおかれましては、精製方法は?なんてことはどうか気になさらず、「そんなこんなでコーヒーにはいろいろな風味があるのね」程度に聞き流して頂いて^^;、どうぞお気軽にいろいろな風味をお楽しみ頂けると嬉しいです
いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな暮らしに“彩り”をお届けします。