No.237_焙煎の進行コントロールは伴走するように...

このつぶやき『No.235_丸の内線のCBTC(無線式列車制御システム)と焙煎』の中で、焙煎の進行管理の肝は「滑らかな制御」というようなことを書きましたが、その後も「何とかこの時の心持ち、ニュアンスをしっくりお伝え出来ないかなぁ…」と考えていました

するとフッと“マラソンの伴走者の姿”が浮かびました

その姿はテレビで何度か見たことはありますが、少しだけ“伴走者”について調べてみました

伴走とは走者のそばについて一緒に走ることを言います
特にブラインドマラソンにあたっては、伴走者は障がい者ランナーと一緒に走り、視覚障がい者の目となり方向を伝えたり、障がい物を避けたり、また走路、ペースの誘導、タイムの記録等の役割があります。 伴走時、障がい者ランナーと伴走者を繋ぐものは“きずな”と呼ばれるロープです。伴走に際して、伴走者は助力(引っ張ったり、押したり)を与えてはいけません(日本ブラインドマラソン協会HPより)

伴走者のことを調べていて、その役割がとっても多いことに驚きました。その手法、テクニックはもちろんですが、伴走者は何より「ランナーと心を通わせて」というところが心に響きました

マラソンは全体の中でペースを作っていくこと(守ることではなく)が、とても重要なのだと感じています。全体の中での配分もあると思いますし、上り坂、下り坂、追い風、向かい風、いろいろな条件が変わる中で、最適解を導く(ゴールタイムを短縮する)ために

焙煎はマラソンと違って争う相手はいませんが、それを除けば、ペースを作っていく(緩急定められたペースに合わせる)点においては、マラソンに共感するところがたくさんあります

どちらかというと焙煎機そのものはランナー、僕自身は伴走者のような心持ちです

ペースが早過ぎれば、(計画値より火力を控えて)緩くするように促し、遅過ぎれば(計画値より火力を上げて)ペースを上げるよう促すのですが、それが伴走者の心遣いのように、付かず、離れず、阿吽の呼吸で寄り添い、ランナー(焙煎機=豆)の走行の妨げにならないよう(無理に引っ張らず、押さず)、心を通わせ、そーっと導く…

その逆でペース(温度緩急)に合わせるのに、調整を入れ過ぎると、その間、カロリー過多、過少が発生し、ヤかれる豆は、どこかストレスを抱えた、“最高の美味しさ”というパフォーマンスを発揮出来ない豆になってしまうのです

今日も心を通わせ、優しく、そーっと...

こうして甘さに包まれた、まろやかな美味しさ溢れたコーヒー豆が誕生するのです

 

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