No.25_生豆の仕入れとコーヒー豆産地の話

お店で時々、『豆の仕入れで産地に行かれるんですか?』と、お問い合わせ頂くことがあります。今回は豆の仕入れについて少し書いてみようかと思います。

結論を先に申し上げると、僕は産地には行ったことはありません。

コーヒー豆は生豆(ナママメ)の状態で輸入されます。それを店内の焙煎機で焙煎することによって、皆様がご利用下さる褐色のコーヒー豆が出来上がります。いろどりこーひーではこの生豆の購入をインポーターの方経由、行っています。インポーターの方は(新型コロナ禍前は)それこそ世界の産地を飛び回わり、数々の交渉、お願い事を繰り返し、とっても良質な生豆を仕入れて下さります。

いろどりこーひーでの現実的なやり取りですが、先ずはインポーターの方に概ね、『こんな国のこんな豆を購入したい』とリクエストすると、在庫があればいくつかのサンプル提示を受け、それをカッピングして(いわゆる味見です。ワインで言うテイスティングと言ったところでしょうか)、気に入ったものを購入します。急ぎでなければ、それぞれの輸入時期に合わせてその国を出港する前にやはりサンプル豆の提示を受け、カッピング後、気に入った豆を予約します。この流れの利点は産地から輸入されたばかりのニュークロップ(お米でいう新米ですね)を購入出来ることです。そして数ヶ月後、日本に入港すると一旦低温倉庫に保管され、その後、店に納品される流れになります。

因みに世界のコーヒー豆産地は、コーヒーベルトと呼ばれるエリアに位置します。このコーヒーベルトと言うのは赤道を中心に北緯南緯およそ±25°内、且つその高地エリアです。逆の言い方をするとコーヒーはその気候以外のエリアではほぼ収穫出来ないとてもデリケートな樹木です。1日、1年の寒暖差が15℃〜25℃内外、年間降水量が1,5002,500mm内外(雨季、乾季が必要)、日射も適度に必要(一方、強過ぎる日差しに弱く、日陰を作るシェードツリーの寄植えが必要)、肥沃な土壌...そしてこれらの条件を満たす場所がコーヒーベルトエリアの高地となるわけです。気温は暑すぎても寒すぎても駄目、一方でその範囲内では1日の昼夜の寒暖差は有った方が硬く風味豊かな豆が出来るというなんとも生育条件が繊細なんです!

生豆が日本へ輸入される時期は、前述の通り、コーヒー産地が赤道周辺で南半球にも位置するため、その豆にとっては収穫の季節サイクルは有るものの、世界の豆という意味では、年中入れ替わり立ち替わり新豆が入ってきます。そしてこの度、5月に予約注文していたモカ・ナチュラルとグァテマラの最高に美味しい豆が入ってきました。今テスト焙煎中で、間も無くお披露目出来る予定です。このブログでも次回以降、この2種類の豆をご紹介させて頂きます。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

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