No.268_素材選びへのこだわり
コーヒーの味は、焙煎で決まると思われがちですが、実はその前の「素材選び」がとても重要です
それゆえ、素材選びにはこだわっています。自家焙煎における素材とは、生豆のことです
生豆は、バイヤー兼インポーターの方から購入します。バイヤーとは、産地へ出向き買い付けをする方で、インポーターはそれを日本へ輸入手続きする方のことです
購入に際し、バイヤー兼インポーターの方からそれぞれの豆のサンプル(焙煎されたコーヒー豆)提示を受け、それをカッピング(ワインでいうテイスティングのようなものです)して、気に入った風味のものを選びます。なお、このカッピングは、同じ銘柄であっても、作付け年度が変わるたびに行います
購入は“取り置き依頼”という形で、今後1年間使用する分を予測して「ブラジル◯袋」のように麻袋(約30kg/袋)の袋数で依頼します。その間、国内の低温倉庫(通年14℃前後で温湿度管理された倉庫)で保管していただき、その後は必要な分だけ都度、店に配送してもらうことで、年間を通じて安定した品質と在庫を維持しています
このように購入を決めるカッピングは、一言でいうと“味見”のようなことなのですが、この時はその素材の明るさ、クリーン度、酸のキャラクターとボリュームといった観点を重視してカッピングします
明るさやクリーン度(雑味がなく透明感のある味わい)というものは、産地での生育環境(日射、降雨、通風、土壌、施肥等)、収穫(赤い完熟実だけを選別収穫しているか)、精製(果肉除去、乾燥、種子(生豆)の取り出し工程)その全てが適正に進められてきたかを把握できる指標でもあります
ちなみにサンプルの豆は、意図的に浅煎りで焙煎されています。それは前述の“酸のキャラクターとボリューム”をチェックしやすくするためです。そのため、この段階では即、「美味しさ」を確認するわけではなく、「自分がこれを焙煎すると美味しく出来て、それをお客さまにご提供すると喜んでいただけるに違いない!」そんな観点でサンプルを評価します
正直なところ、この見極めプロセスに慣れるには、1〜2年ほど掛かりました(「突き詰めている」と言う意味では、未だ途上なのですが...)
この素材の見極めに慣れてくると、焙煎が一段と面白く、楽しくなりました
サンプルカッピングで感じた酸のキャラクターとボリュームをもとに、しっかりと熱を入れ、適切なロースト感と融合させることで、且つロースティングポイント(煎り止め温度)微調整の中でバランスをとることで、酸の明るさを保ちながら、甘さに包まれたより魅力的な風味へと仕上げていけるようになりました
ところで良い素材を使うと、焙煎は楽になると思いますか?逆に大変になると思いますか?
もしかしたら、「素材が良い分、焙煎が多少ブレたって、それなりの美味しさの豆が出来上がって楽なんじゃないの?」と思われる方が多いでしょうか?
実は、その逆、大変になるんです...でも、なぜ?ですね!
良い素材というのは確かに“それなりの美味しさ”は作りやすくなります。しかし、所定の焙煎プロファイルをブレなくトレースし、ロースティングポイント(煎り止め温度)も1℃の差が、ドンピシャにハマると、ぐんと美味しくなる研ぎ澄まされたポイントを持っています。つまりピンポイントの最高の美味しさを引き出すため、焙煎もより研ぎ澄ましていかなくてはならない」という大変さ、慎重さが求められます
こうして出来上がった豆をお客さまにご提供し、いろいろ感想やご好評を頂くことが、僕自身、何よりの励みとモチベーションになっています
これからも“お客さまの美味しい!”のために、素材にこだわって、より美味しいコーヒー豆のご提供に精進していきます
いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな暮らしに“彩り”をお届けします