No.282_質感の良さ
先日、常連のお客様からこんなお話をいただきました
「いろどりこーひーさんの定休日に丁度、コーヒーが切れてしまって...でもどうしても水曜日まで待てなくて、◯◯でコーヒーを買って飲んだんですけど、味はもちろん、質感が全然違っていて...やっぱり、無くなるギリギリじゃなくて、余裕を持っていろどりこーひーさんに来ないとダメだと思いましたよ...」と
お客さまから“質感”というお話をいただいたのは、開店以来、初めてでした
いやぁ〜嬉しかったです!
というのも、僕自身毎日焙煎する中で、一番大切にしているものが、この”質感”だからです
とはいえ、コーヒーにおける“質感”を言葉にしてお伝えするのは、とても難しいです
これを敢えて表現してみると、「質感とは、マウスフィールの良さであり、舌触りであり、味わい全体の奥行き感とまとまりからくるボディ感であり、さらには飲み込んだあとまで続く心地良さであり、つまりはコーヒー全体が醸し出す雰囲気みたいなもの...」いやはや、やはり難しいです(^^;;
皆さんは「美味しいコーヒーってどんなコーヒーですか?」と聞かれた時、どのようにお応えになりますか?
飲みやすさ、マイルド感、フルーティーさ、甘み、ビター感、華やかさ、爽やかさ、しっかり感、コク、酸の質、雑味のなさ、クリーンさ、香り、余韻...。これらはそれぞれ大切なことで、美味しさを形作る大切な要素だと思います
その上で、それら全てを包括する美味しさを表現する言葉が、僕は【質感の良さ】だと思っています
焙煎後やブレンドを作る時には、カッピングでその風味をチェックしますが、そのとき僕は、この“質感”というものに特にフォーカスしています。というのも香りや酸味は豆の個性ですが、その個性を支えている土台こそが質感だと考えているからです
【質感の良さ】という、共通した土台が出来上がると、あとはそれぞれの豆が持っているポテンシャルが開花して、豆それぞれの個性が“美味しさ”という形で自然に表れてきます
お客さまには、その質感の良さを土台としたコーヒーの中から、それぞれのお好みを見つけていただいたり、その日の気分や暮らしの場面に合わせて飲み分けていただけたらと思っています
そんな姿こそが、僕の理想とする「いろどりこーひーとお客さまで作り上げていくコーヒーライフ」です
実は、この【質感の良さ】という言葉、あるいは状態というものは、あらゆる飲み物、食べ物に通ずる感覚だとも思っています
日本酒、ワイン、ウイスキーにも、そして日本茶にも、紅茶にも、素晴らしく美味しいものと、まあまあのものがありますが、素晴らしく美味しいものには共通して、凛とした【質感の良さ】が備わっています
これはチョコレートや和菓子の餡子、ショートケーキの生クリーム、スポンジであっても、それらで美味しいなぁって感じるもののベースにはやはり【質感の良さ】を感じます
これからも、お客さまが「美味しい」と感じられるその一杯の中に、意識・無意識の違いはあっても、この“質感”をお楽しみいただけるよう、その更なる向上に取り組んでいきます
いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな暮らしに“彩り”をお届けします