No.52_デコポン

本日のタイトル、そして写真はデコポンです。なんで、突然!?ですね(笑)。

デコポンは、僕がフルーツの中で一番好きなもの一つです。そしてデコポンがスーパーに並び出すと、まだまだ寒い日が続いていても、『おっ!デコポンだ!春も近いぞ!』と思わせてくれる、僕にとっては春の予感を知らせてくれるフルーツでもあります。

デコポンが好きな理由は何より『甘くて美味しい!』、そして外皮が柔らかくて剥きやすい!加えて果肉を包む皮も薄く柔らかく、実をちぎってそのままモグモグと食べられる!この『食べ易さ』と言うのも魅力の一つですね。要は簡単に美味しく食べられる!(ちょっとズボラかな...苦笑)

先ほど、デコポンが好きな理由を『甘くて美味しい!』と記載しましたが、この『甘さ』は砂糖甘ければ良いのかと言うと決してそうではありません(当たり前ですが)。デコポン特有の柔らか〜な酸味と相まっての甘さです。

実はこの辺の甘さと酸味のバランス、感覚ってコーヒーの風味、味覚にも通じるなって常々思っています。酸っぱいコーヒーは嫌われますが、これは『悪い酸味』がそのコーヒーを支配しているからだと思うんです。悪い酸味の典型的なものは素材(焙煎する前の生豆)起因です。これはコーヒーの実を収穫する際、本来真っ赤に熟した完熟実のみを収穫しなければならないところ、オレンジや青っぽい状態で収穫された未熟実が混在していたり、収穫後の乾燥過程(23週間を要します)が、不十分であったりすると起きます。あとは、焙煎が不完全で豆中心部の水分抜きが甘かったり、焙き残りがあると酸っぱさを通り越してエグみになってしまうこともあります。また、焙煎後あまりにも日数が経ってしまうと、コーヒー豆が空気と反応して酸化して酸っぱくなってしまうことも起きます。

その反対の『良い酸味=クリーンで良質な酸味』は、美味しいコーヒーが作り出される上でも欠かせません。そう!前述の美味しいデコポンに備わっている『クリーンで良質な酸味』です。

これは素材が持っているもので、味付けや風味調整で現れるものではありません。素材に無いおいしさを焙煎術で作り出すことは出来ないのです。それ故しっかりした素材選び、そしてそれを生かし切る(焙き不足や焦げの雑味でマスキングしない)質の高い焙煎術が重要になるのです。

フルーツの種類が変わっても...例えばブドウのシャインマスカットと巨峰、リンゴのフジと王林の風味の違いなども、それぞれの酸の質と量の違いがその個性を形作っているのです。

そしてコーヒーも美味しくなるには、この『クリーンで良質な酸味』が、デコポン同様『甘さ』と融合する必要があるのですが、これが出来るのです!

おっと、今日はここで紙面がいっぱいになってしまいました。この『甘さ』についてのお話は、また別の機会に触れさせて頂きますね。

 

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