No.57_コーヒーのカッピング

お店でコーヒーの風味のお話をする機会はとっても多いですが、時々カッピングの話題にまで及ぶ時があります。

僕の方からカッピングとか専門的(マニアックな?)なことを話始めることはありませんが、興味のあるお客様から質問を受けたとき、それにお応えする形で会話することがほんのたまにあります。今回は『カッピング』とは、どのようなものか、概要的なお話のみ触れてみたいと思います。ワインで言う『テイスティング』に当たるもので、平たく言うと『味見』といったところでしょうか...

その所作ですが、180mlの湯呑み状のカップに先ずはコーヒー豆を10g計量します(写真左上)。それを粉に挽いて(写真右上)、次に沸騰したての湯を一気に満杯に注ぎます(写真左下)。4分放置後、スプーンで3回底まで攪拌して(ブレイクと言います)、続いて上部に浮いたコーヒーの粉を鍋料理のアク取りの要領で取り除きます(写真右下)。

そして液体(コーヒー)をカッピングスプーン(スープスプーンの様な丸い深めのスプーン)でなみなみとすくい、空気が混ざるようにズッ!と一息で口の中に吸い込みます(霧状にして上顎に吹き付けるようなイメージです)。そして舌の先やら奥やら、上下やら...口の中で数秒風味を感じ取った後、その液体はペッと吐き出します。そしてその後も舌で、更には鼻腔でその余韻を追います。(この動作はコーヒーが冷め切るまで断続的に繰り返します。)

先ほど記載しませんでしたが、挽いた粉、湯を注いだとき、4分後のブレイク時に香りも合わせて確認します。この時、鼻から入ってくる香りをアロマ、コーヒーを口に含んだ後そこから鼻腔に抜ける時に感じる香りをフレーバーと称します。

正式には8個のチェック項目それぞれを8段階に評価して記録するカッピングフォーム(スコア表)もありますが、ここでは割愛します。

僕はその中でも雑味の無さ(カップのコーヒーの綺麗さ、クリーンさ)を特に大切にしたいと思っています。この観点さえ豆に備わっていれば、あとはお客様個々人がそれぞれの嗜好で、好みの豆を見つけ、楽しんで頂ければと思うからです。

一方でコーヒーを仕事にする人にとっては、このカッピング力はマスト。その向上無くしてより美味しいものは作れないといった肝の部分ですので、折に触れて毎日実施しています。この折に触れてと言うのは、焙煎した豆のチェック、新豆購入の際のチェック、ブレンド作りの試行等々殆ど全ての所作にカッピングが付いて回ると言っても過言ではありません。

次の機会には是非ブレンド作りのカッピングについても、もう少しお話が出来ればと思います。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

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