No.76_コーヒーの香り

 今回はコーヒーの香りをテーマに幾つかエピソードを紹介させて頂きます。

店の目の前が葛西小学校で通学路にもなっているので、午後になると毎日多くの子供たちが店の前を通って下校します。子供たちがワイワイとお話をしながら通り過ぎる姿を店内から眺めていますが、とっても賑やか、活気があって、いつも微笑ましく、元気をもらっています。そんな子供たちですが、店の前を通る時、『わぁーいい香り!!』と呟いてくれる時が、幾度となくあります。店の入り口扉はいつも開け放しているので、コーヒーの香りが店の前の歩道にも漂っているのかと思うのですが、子供たちは店先に顔を出さずとも、通り過ぎるだけでそれを感じるのですから、子供たちの嗅覚には驚き、感心してしまいます。

そして先日、女性のお客様がお二人でお越しになった際の出来事ですが、お一人の方が豆を購入して下さり、その豆をお挽きしたとき、もう一人の方が、『わー!いい香り!私はコーヒーがちょっと苦手で紅茶派なんですけど、コーヒーの香りはとっても好きです!』とのお話を伺いました。実はこれに近いお話は幾度か伺ったことがあります。コーヒーに関する少々ネガティブな印象、出来事なのですが、(過去に)『コーヒーを飲むと頭が痛くなる。』、『後味として舌の奥の方に嫌な感じが残り続ける。』、『コーヒーは水とセットで飲む』なんてお話も...『でも、香りが好きでトライしてきました...』と。とは言え、その方々も『いろどりこーひーではそれを感じずに飲めたので、ビックリです。』とお話を続けて下さったので、ホッとしました。(^^;;

コーヒーの香りは、一言で言うと『その豆が持っている香り』と言うことなのですが、その香りを『いい香り』として引き出すには、適正な焙煎が欠かせないと思っています。豆は、焙煎中170℃〜180℃辺りで、その性質を大きく変化させますが、変化する直前、変化中、変化後、豆にどれだけのカロリー(熱×時間)を与え、どの様な状態を作り出すかで豆の香り、美味しさは大きく変わります。化学的には、糖分のカラメル化とか糖分、タンパク質のメイラード反応、油分(脂肪分)のディープフライフレーバー化なんて言われていますが、それぞれ適正に変化させると、とっても素敵な褐色成分と魅力的な香気成分が形成されます。

どうしても『コーヒーの香りが好きな人 > コーヒーの味が好きな人』の現実があると思うのですが、なんとか、『コーヒーの香りが好きな人 ≒ コーヒーの味が好きな人』に近付いてくれるとイイなぁって思っています。

P.S. 今回の写真は、店にあるグラインダー(業務用のコーヒーミル)です。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に彩りをお届けします。

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