No.96_冬の焙煎

本日の写真は朝日を浴びている開店前のお店です。

これから焙煎を始めるところですが、この時期の朝は店の前の街路樹や電信柱も長く影をひき、そのシルエットを店のファサードに映し出します。そして今日はこの自分まで...苦笑

焙煎は当日焙く釜数にも依りますが、朝7時台から始めることが多いです。

朝、店に着くと照明を点ける他、換気扇を回し、壁の吸気口を開放します。この吸気口はいわゆる換気口ですが、部屋の対角に設置された換気扇を回すと、ここから外気が吸い込まれて店内に入ってきます。また、焙煎中は焙煎機付属のファンで煙突経由強制排気されますので、それに見合った店内空気の供給(流れ)が必要なのです。ですから焙煎は部屋全体の環境も含めて行なっているという考え方です。

この時期、朝の店内気温は10℃前後と冷え切っていますが、実は焙煎中、エアコン(暖房)は点けません。一方で焙煎を複数回行うとガスの火力で焙煎機自体が熱を持ち、店内気温は20℃超えまで上昇します。でもエアコンを点けない理由は、点けなくても焙煎機で店内が暖まるから...ではありません。

それと言うのも焙煎中は部屋全体の環境も重要なファクター(外的要因)と捉えているので、安定した焙煎のためには、その変動(温湿度変化)を最小限に抑えたいのです。(エアコンを点けると1釜目と最終釜の店内の温湿度差はもっと大きくなってしまいます。)

なのでこの時期、焙煎中は通勤で着ているダウンジャケットを纏ったままスタートし、途中それを脱ぐと言った具合です。因みに真夏はエアコンを適正に使用します。適正の意味合いは温度上昇を小幅に抑えることが目的で、涼しい快適環境を作ると言う目的では無いと言う意味です。そのため夏はTシャツ、短パンに補助で扇風機を回すみたいな出立ちで作業しています。(笑)

話を焙煎に戻しますが、焙煎は同じ豆種の直近2回分の焙煎記録表をテーブルに広げてスタートします。焙煎記録表には進行と制御の記録の他、その時の環境(天候、朝の室温、焙煎機に生豆を投入した時刻、室温、湿度等)を記録しています。そしてその日のロットの焙煎を始める環境と照らし合わせて、制御の方針を固めます(方針の微調整をします)。例えば朝の気温が前回より5℃低いとその分保管されている生豆温度も冷え冷えとしているので、焙煎機内へ投入する釜内温度も1℃高く設定しよう...みたいなことです。

因みに生豆は店内で常温保管されているので、夏は温く、冬は冷え冷えとしています。その結果、この豆を投入する釜内温度のタイミングは10℃以上も変える必要があります。この調整は日々の考察を経て、春夏秋冬緩やかに調整されていきます。

ところで焙煎前の生豆は、各豆種1袋(約30kgの麻袋)ずつ店に備えていますが、その他の豆在庫は外部に委託して低温倉庫(1年を通して室温が14℃前後に制御されている)に保管しています。今回は紙面も一杯になったので、また別の機会に豆の調達や保管についても触れてみたいと思います。

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に彩りをお届けします。