No.281_焙煎中のUnder Control感

前回のつぶやき『No.280_焙煎後の赤ペンチェック』では、焙煎終了直後に行っていることについて記しましたが、今回は“焙煎中の心持ち”といったお話をしようかと思います

それは「焙煎中こんな作業をしています」という所作の紹介というよりは、「こうありたい」と考えていること、もしくは、感覚の類です

結論を先に言うと、「Under Control感を持ち続けたい」、または「Grip感を持ち続けたい」ということです

一部横文字を使ってしまいましたが、これは何もカッコつけの表現ではなくて(苦笑)、正に“焙煎中の心持ち”を表現している...と、思うからです

これをあえて日本語で表現するなら、Under Controlは、「制御下にある」、Gripは、「しっかり掴んでいる、掌握している」といった感じでしょうか...。ただ、日本語の「制御」だと、なんだか機械を力づくで抑え込んでいるような冷たい印象を感じてしまいます。僕が感じているのは、焙煎機や豆の呼吸とぴったり僕自身が噛み合っているような、そんな感覚なのです

今までのつぶやきの中でも何度かご紹介してきましたが、焙煎中は焙煎記録表を横目に、操作、状況の把握、考察、対処、記録...そんなことをグルグル、目まぐるしく思考を巡らせながら作業を進めていきます

こう書くと、とっても忙(せわ)しない、慌ただしい光景が目に浮かぶでしょうか?

しかし、焙煎中の様子を“動”か、“静”で表現するなら、“静”そのものです

その“静”の内面に流れているのが、「Under Control感」であり、「Grip感」なのです

こうお伝えしても、なかなかイメージし辛いかと思いますので、少しだけ具体的な事象をご紹介してみます

焙煎には目指すべき進捗(窯内温度上昇に関する進捗時間管理)があって、それを実現するためにフェーズごとに火力調整をします。そしてその後の温度上昇の進行が計画通り推移すると、それは「Under Control感の中にいる」となります

ただし、進行にはブレがつきものなので、それに対処するため火力も計画値から微妙に調整をかけていきます。それを思い通りに制御できることが、「Grip感を持って対処できている」状況となります

そしてそれが焙煎全体を通して実現された時、「狙い通りの焙煎」となるのです

「Under Control感」、「Grip感」に満たされた焙煎の結果できたコーヒー豆は、無理な火力操作や慌てた修正が入らないため、豆に余計なストレスも掛からず、毎回(そして1年を通して)変わらぬ風味が実現されます。そして何より、そうしてできた豆は“優しく柔らかい風味”に仕上がります

この“優しく柔らかい風味”こそ、豆種が異なっても共通した、僕がお客さまにお届けしたい風味なのです

焙煎機をコントロールすることは目的ではなく、あくまでも手段です

お客さまの期待を裏切らない一杯をお届けしたい。その思いが、僕にとっての「Under Control感」を追求する原点です

 

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