No.111_味作りで作らない味

今回の写真は、葛西臨海公園の桜です。満開の桜は理屈抜きにサイコーですが、ピークを過ぎて、花びらがひらひらと、そして逆光の中キラキラ舞い行く様もなんともイイものです。さらに明るい新緑のオーバラップも絶妙の美しさです(ブレンドの妙でしょうか!苦笑)。因みに撮影したアングルは、敢えてこのつぶやきNo.18と同じアングルとしてみました。(No.18の時期は既に“緑のトンネル”になっています。)

さて、このつぶやきNo.109で『お客さまと作って行くいろどりこーひーの味づくり』をテーマにしましたが、今回は『味作りで作らない味』がテーマです。作るんだか?作らないんだか?どっち〜?と言うようなテーマですが...

『作る』の意味合いはNo.109で述べた通り、主に商品ラインナップに関わる話といろどりこーひーオリジナルブレンドの風味が目指す方向性についての話です。

一方で『作らない味』ですが、それを説明するためにもネガティブな意味の『出来ちゃう味』について少し触れてみます。

いろどりこーひーがお客さまにご提供しているコーヒー豆は、仕入れた生豆を店内の焙煎機で焙煎することによって出来上がります。したがってその風味の良し悪しは仕入れた生豆がどうか?と、焙煎がどうか?に掛かっています。

仕入れる生豆については一言で言うと『良質な生豆を仕入れて』となるのですが、方や焙煎については『生豆が持っているポテンシャル(風味)を100%引き出すこと』が肝要です。100%というのは過不足無くという意味です。焙煎では『過ぎたことも』、『足りないことも』それが起きては、豆本来の美味しさをお伝えする妨げになってしまいます。

例えば焙煎前半で生豆の水分抜きが不十分だとウォータリーな(重たい)風味になりますし、豆の中心部までしっかり焙(や)けていないと、その部分の化学変化も不完全となり、エグ味(嫌な味)の原因になります。また焙煎中、仮にも火力が強すぎるフェーズ(局面)が一瞬でもあると(煎り止め温度だけの問題ではありません)、表面焦げからくる苦味感、ひいては後味の悪さに繋がってしまいます。このように不十分な、不完全な焙煎で出来てしまうネガティブな味=『出来ちゃう味』をゼロにしたい!これが僕の目指している『作らない味』の意味合いです。

焙煎は(当たり前ですが)塩コショウの味付けはしませんので、言い方を変えると『何も足さない。何も引かない』、究極の乾熱調理の世界です。

この作らない味が実現出来れば、あとそこに残る風味は真にその豆が持っている風味ということですので、お客さま(飲む方)は、安心してその豆の風味を楽しめますし、そこで初めてお好みも見つけられる様になると思うのです。(前述の『出来ちゃう味』が重なっては、楽しめるわけ無いですね...)

是非、そのような豆をご提供してコーヒーを日常生活の中で存分に楽しんで頂きたい。それが僕の切なる思いであり、僕の使命でもあると思っています。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

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