No.133_感と勘の世界

焙煎は一種、職人の世界です。僕が “職人”、そして“職人道”に描いているイメージは、過去のつぶやきNo.99でも少し触れましたが、今回は少し違った切り口で捉えた『感と勘の世界』をテーマにしてみたいと思います。

改善を目指す思考、行動のサイクルに古くから『P(Plan) → D(Do) → C(Check) → A(Action)を回す』なんて言葉がありますが、その思考にもやや近いかもしれません。

P=Planは直訳すると“計画”と言うことかもしれませんが、焙煎の行動の中では“仮説を立てて”と捉えた方が良いかもしれません。そして仮説力を上げるにはやはり経験値が必要で、その向上に近道はなく、【感】と【勘】を働かせた作業の積み重ねの先にあるものだと思っています。

焙煎は毎回同じことを繰り返している様でもその日の環境(季節、温湿度)や豆種の違いにより進行に微妙なズレが生じます。正確に言うと“ズレ”と言う状態になる前にその兆しを【感】を研ぎ澄まして捉え、即座に【勘】を働かせて対処して行くので、『ズレの兆しは見えてもズレは発生させない。』と言うことなのですが...

「勘で作業」というと何か「直感を働かせて一か八か」のような語感もありますが、むしろ前述の通りとっても慎重な作業なんです。イメージとしては大きな船の進路を0.5°ずらして、その挙動を確認しながら目標に向かって微調整する...そんな世界かな?と。とは言え今や、船も車も飛行機も“自動運転”の時代ですね。(^^;;

焙煎でさえ、お客様の目の前でお客様が指定した生豆を焙煎する自動焙煎機も登場しています。たぶん焙煎に関しても「AIを組み込んだ」なんて機械も早晩登場するのでしょうが、僕はこれには一線を画する思いを持っています。これについてはまた別の機会にテーマにしてみますね。^ ^

 

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