No.138_焙煎機とAI

まず今回の写真ですが...先日行ってきた箱根彫刻の森美術館にある『幸せを呼ぶシンフォニー彫刻』と名が付いた、円筒状の建物内観です。高さ18m、内径8mで、建物内中央の螺旋階段を上って屋上に上がることも出来ます。外壁はステンドグラスで覆われていて、下から見上げるととっても美しく幻想的で素敵な空間でした。中央の螺旋階段は上り用、下り用、一方通行2本の階段が組み合わせられていながら、途中、共用の踊り場もあるので後ろの人をやり過ごしたり、上まで登れないと思ったら引き返すことも出来る様に工夫されていて、こちらにも感心しました。

さてさて、今回の突拍子もないテーマ『焙煎機とAI』ですが...昨今、新聞紙上でAI、生成AIに関する記事を見かけない日はありません。そしてふと、それが焙煎機に組み込まれるようなことがあるのだろうかと言う思いが頭をもたげたものですから、それをテーマにしてみた次第です...

とは言いながら、僕自身、AIについては全く詳しくないので、以下、見当違いなことや絵空事かもしれませんが、どうか“つぶやき”レベルとご容赦ください。

とってもざっくりと受け止めるとAIは『“行為”の自動化』が主たる目的で、生成AIは『新しいコンテンツの生成』が目的とのことですので、僕のやってる“焙煎”という“行為”は、もしかしたらAIと相性がいいのかもしれません。

つぶやきNo.133_感と勘の世界』でも少し触れましたが、焙煎中は(実は朝、店に入った瞬間から焙煎直前迄の準備もそうですが)、五感を使って情報、状況をインプットし、感と勘を使って操作する(アウトプット)ということを毎ロットの焙煎でやっています。既に世には少量焙煎する自動マシーンなるものはありますが、[豆の今]を五感で感じながら対処していく操作はそれとは一線を画していると思っています。とは言え、このインプット、そしてアウトプットするためのロジカルをAIに学習させれば、同様の操作は可能であろうというのが僕の見立てです。

但し...

但しです。ここまでの記述は操作論ですが、その操作の妥当性を担保するのは、あくまで出来上がった豆の美味しさ!味だ!と言うことが大切なポイントです。その美味しさを創り出す味覚力があってこそのロースティングプロファイル(温度、時間、火力等の進行標準)でなくてはならない。それが焙煎の奥深さだと思っています。

ところでこの“ロースティングプロファイル”(料理になぞらえると“レシピ”と言っても良いかもしれませんが)、この世で共通認識されているものはありません。それぞれの焙煎人や珈琲製造会社が独自に持っている、若しくは今も追求している世界です。

と言うわけで操作、進行のAI化は出来ても『美味しい豆を作る』ことまで包括した“真の焙煎”のAI化は難しいのではないか?と言うのが僕が今の所、思っていることです。それとも現在の人智を超えた最強マシーンがいつか登場する日は来るのでしょうか?

 

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