No.72_焙煎直後の豆のチェック

以前このコーナーで焙煎後の豆チェックの目的でカッピングを行なっていることを記載しました(No.57_コーヒーのカッピング)。 そのカッピングは、いわゆる『風味チェック』が目的ですが、実はその前に本日ご紹介する目視確認も行なっています。(これを『ハンドピック』と呼んだりもします。)

動作としては焙煎直後の豆を収納ケースから(写真にもある)取手付きカップですくい、左手に持った盆に広げ、気になる豆は取り除いて、他は別のチェック済みケースに空けると言ったことを豆全数に対して行います。

これを行う(僕の)目的ですが、『お客さまにご提供するコーヒー豆という食品をこの目で全数確認する』と言うことが一番です。

(話は一旦横道にそれますが...)コーヒーの焙煎は焙煎機で行いますが、(焙煎機の構造はイメージとして全自動ドラム式洗濯機を思い描いて頂けると近いものがあるのですが)、焙煎機内の釜(ドラム)は円筒を寝かせた状態の空間になっていて、その内側にはいくつかのフィン(羽根状の薄板)が取り付いています。そしてそのドラムは中心軸周りに回転を続けます。そこに生豆を投入すると、豆は内側のフィンではね上げられ、宙をバラバラ舞いながら、焙煎が進行します。そして煎り止め温度に達したところで、豆はドラムから外に出され、冷やされる...これが焙煎の大まかな流れです。

僕の使用している焙煎機は、ドイツのProbat社製で、熱風と釜を覆う分厚い鉄板の輻射熱でじんわり焙(や)いていくので、焙きムラが非常に少ないことが優れています。一方、豆の大きさに微妙な差があったり、焙煎中の爆ぜ(ハゼ)で欠けた豆等に煎りムラが発生することがほんの少しあります。それはほんの少し焙き色が薄かったり、濃かったりの表情として現れるのですが、そのような豆は前述の目視確認で取り除くようにしています。とっても微量ですが、少なからずやの風味への影響を避ける目的です。

この取り除く作業を指して『ハンドピック』と呼んだりするのですが、お店や人によっては、これを焙煎前の豆に対しても行うところがあるようです。コーヒーに関する本や、ネットで検索してみるとこの目的は事前に欠点豆を取り除くこととか...そこには欠点豆種として、未熟豆(完熟する前の実の状態で収穫された豆)、虫食い豆、黒い豆(豆の精製過程や保管状態の不備からくるもの)等記載されていますが、いろどりこーひーで購入している生豆はそれらが無いグレードのもの(収穫、精製、輸送、保管がしっかりコントロールされているもの)を使用していますので、事前のチェックは必要としません。

とは言え、食品を扱う店として、販売する豆に関しては、僕自身の視覚、味覚でチェックして、細心の注意を払った物をご提供したいと考えております。

 

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