No.83_浅煎り?深煎り?
時々、初ご来店のお客さまから開口一番『浅煎りの豆くださ〜い!』と言ったお話を頂くことがあります。その逆に深煎りの豆を!と言うこともありますが、どちらかと言うと浅煎りを!のリクエストが多いでしょうか...
その時は『この中では、これが一番浅煎りです。』とお応えはするものの、出来ることなら『浅煎りのコーヒー』と言うものにお客さまがどんな風味を期待されているのか、もう少しだけお話を伺いたくなってしまいます。
因みに皆さんは、浅煎り、または深煎りのコーヒーと聞いて、どんな印象を持ちますか?
そこで僕もネットで少し調べてみたんですが、浅煎りは酸味豊か、フルーティ、深煎りは苦味、ダーク、中煎りはバランス...なんてキーワードが出てました。そして浅煎りは『サードウェーブの出現以来ブームに...』なんて記載も多々見かけました。
『ん?コーヒー豆屋の店主が浅煎り、深煎りの特徴をネットで検索するってどう言うこと?』なんて思われた方もいらっしゃるでしょか?(苦笑)
確かにいろどりこーひーの豆にもロースティングポイント(焙煎中の豆の煎り止めポイント=釜から出す温度)は色々あって、低いものと高いものを比較すると10℃以上の差があります。低めを浅煎り、高めを深煎りと言えばそうなるかもしれませんが、実は中煎りを含めて、何度から何度は何煎りでと言ったことを意識したことはありません。
ここには『こんな風味にしたいから浅煎りにして...』といった考え方はひとつもなく、あるのは『この豆が一番美味しく飲める焙煎をする』と言うことだけです。要は出来上がりの味をチェックして微調整を繰り返し、突き詰めた結果が今のロースティングポイント他焙煎フローになっていると言うことです。コーヒーの味は焙煎する人が『こうしてやろう!』なんて作るものではなく、その豆に備わっている際立った魅力(テロワール)をダイレクトに頂くと言うことなんですね。(テロワールについては『No.77_テロワールをお届けしたい』にも記載しております。)
因みに『煎り度』を気にしないと共に『豆の色』も気にしません。『気にしない』と言ってしまうと少々投げやりな表現になってしまうので言い換えると、それらは『焙煎を進める上での指標にはしません。』と言う意味です。煎り度も豆の色も焙煎をする指標ではなく、美味しく飲めるコーヒーを作った結果だと言うことです。
ご存じかとは思いますが、いろどりこーひーの商品ラインナップの分類は、『シングルorブレンド』をお示ししているのと、風味に関しては『華やか系orまろやか系orしっかり系』と言った分類でお示ししています。『浅煎りor中煎りor深煎り』の分類表示や『酸味、苦味、コク等のチャート表』もありません。これらは『どうしたか?どうなってるか?』をお伝えする言葉であって『風味』をお伝えする言葉では無いと思ったからです。
スミマセン。なんか理屈っぽい話になってきちゃいました。(苦笑)
皆様それぞれの『美味しいと思うコーヒー』を見つけて頂きたい。そして飲んで楽しんで頂きたい。これがいろどりこーひーの願いです。
いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。