No.92_ほんの少しのズレが思わぬ効果を生む(こともある...)
今回の写真ですが、店に行く途中、綺麗な木があったので写真に収めようとしたところ、朝日が眩しく逆光だったので、木の幹に重ねる構図でそれを防いだつもりが、この様に丁度いい塩梅(あんばい)に陽が抜けて寧ろ面白い写真になりました。(^^) これは『ほんの少しのズレが思わぬ効果を生んだ』そんな体験でした。
実は焙煎でも『ほんの少しのズレが思わぬ効果を生む』ことがあるんです。ここで言う“ズレ”と言うのは、焙煎中の進行のズレと言う意味です。焙煎は出来上がった豆の風味の再現性を保つため、ひたすら同じ進行を目指すのですが、一方でその日の天候、温湿度、何釜目の焙煎か(焙煎機自体の蓄熱エネルギーが変わります)他の影響を受け、微妙にズレる時があります。
大方の場合、そのズレは無い方が良いのですが、稀にそれがプラスに作用して、予期せぬ微妙な良い風味をもたらすことがあります。それは、焙煎後のカッピング時に発見するのですが、そうなった場合は、次の焙煎でその検証を行います。意識的にそのズレた進行を再現し、そしてまたカッピング!そこであの時感じたあの微妙な風味が再出しないことも多いのですが、再び感じられた時は次回以降、その進行フローを標準に切り替えます。味作りにはこれで良いと言う終わりは有りません。
基本は同じことをひたすら繰り返す、同じに出来ることは全て同じにする。それを繰り返して研ぎ澄まして行くと小さな、小さな変化(予期せぬ『これはいい!』)を拾うことが出来る。それが幻じゃなく、現実だったらそれをルーティンに組み込む。そんな繰り返しを何年も続けて、店の味が作られて行くのだと信じています。そして、日々同じことを繰り返しています。
今回の写真も予期せぬ『これはいい!!』を拾うことが出来ました。(^^)
いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。