No.136_肉、魚の炭火🔥 焼きのはなし

今回のテーマは、コーヒーの話ではなくて、肉や魚を直火で焼く話なのですが...炭火で焼いた肉や魚は(そしてウナギも^ ^)、ガス火や電熱で焼いたものでは味わえない美味しさがありますね。この違いは何故発生するのか?予てより興味がありました...

すると...つぶやきNo.134でも引用させて頂いた河野友美(1929-1999)さんの著書『美味しさの科学、味を良くする科学』に炭火焼き、とりわけ備長炭の優れているところについての記述を見つけ、なるほど!と合点が行ったものですから、ここで少し紹介させて頂きます。

『直火焼きの第一のポイントは【①強火の遠火】。食材(肉、魚)をこんがり美味しく焼くには食材の表面温度を180℃辺りに保つことが重要。炭火の表面温度は800℃以上にもなるが、数十センチ離れて180℃近辺のエリアは食材全体がこの180℃で包み込まれるように焼かれていく。これが炭火より弱い熱源のガス火で焼くときは、食材をこの熱源に近付けて焼くことになるが、食材全体を180℃に保つことは難しく、こんがりとは焼き上がらない。

例えば気温の低い冬であっても太陽の照っている晴天の時に布団を干すと、布団が暖かく、ふっくらとする。これは太陽が強力なエネルギーを持っていて、その放射熱のエネルギーが布団に与えられるからだ。突飛な例のように感じられるかもしれないが、直火焼きの調理も理屈はこれと同じで、強力なエネルギーを持つ熱源を使い、その放射熱で焼くとこんがり美味しく焼ける。

第二のポイントは【②炎と煙は禁物】。【①強火の遠火】は焼いている炎や煙が食材に当たりにくいと言う利点もある。炎は1000℃にもなるので、近火で焼くと食材の中まで火が通らないうちに、表面のタンパク質や脂肪が変質、炭化してしまう。更に近火で焼いている時、肉汁が熱源に滴り落ちたりすると煙や不快な匂いが発生するが、これが食材に吸着してしまう。これが【①強火の遠火】だと防げる。』

つぶやきNo.131で『焙煎のヤキは焼いているわけではなくて...』をテーマにしましたが、一方で上記①、②の観点は、焙煎論にも応用出来る考え方を含んでいると感じました。

焙煎中、窯内温度は上がり続けるので、前述の『食材表面を180℃に保つように焼く』とは異なるのですが、180℃前後で化学変化が起きて豆の成分が大きく変化するのでこの辺りのエネルギーの与え方にはとても気を使います。また、上記②に【炎と煙は禁物】とありますが、これは共通します。いろどりこーひーで使用しているPRPBAT社製の焙煎機は主に熱風でヤイテ行くので、直火が豆に触れることはなく、更には強力な排気も相まって豆が煙に包まれることもありません。

焼きの世界は違えど、いろいろ参考になることがあるものです^ ^!

 

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