No.118_コーヒー豆作りにおける味覚を磨く意味合い

写真は葛西臨海公園で見掛けた来月の主役^ ^アジサイです。青々とした蕾が開花の準備を整えていました。

さて、前回の[つぶやきNo.117]では『味覚とは...』をテーマにしましたが、今回はその続編『コーヒー豆作りにおける味覚を磨く意味合い』です。

コーヒー豆作りにおける味覚は単に『コーヒーを飲んだその味で豆種を言い当てられる』とか『その味を言葉で表現出来る』と言ったことではありません。更なる美味しい豆作りのために必須なもの、それが味覚と捉えています。

これはどう言うことか?...その説明のためにも僕の日常のルーティンを少々ご紹介します。

焙煎は開店前の朝、やっています。8時台に始めることが多いですが、窯数が多い時は7時台から始めます。

焙煎中はこのつぶやきでも何度か紹介させて頂きましたが、とにかく寸分違わず同じ進行になるよう集中して作業します。これで“出来栄え”➡️ブレの無い味の再現性”を確保します。

焙煎が終わると豆の目視チェック[つぶやきNo.72]をしてからカッピングを行います。カッピングの所作は[つぶやきNo.57]で触れましたが、いわゆる『豆の味チェック』です。ここで前述の味覚が重要になります。

チェック項目はいろいろありますが、一番は豆のクリーン度(淹れたコーヒーに焙煎起因の雑味がないか?)です。例えば焙煎前半の豆内の水分抜きが甘いと重たい風味が現れ、豆本来の軽やかさ、華やかさは楽しめなくなります。かと言ってカロリーを与え過ぎると(火力が少しでも強過ぎると)焦げの一歩手前まで進行してベイクド感という嫌な風味の兆候が現れたりします。そうなると途端にバランスが崩れて、まろやかさが失われます。口当たりの悪さ、後味の悪さは全てこの雑味から来ます。(雑味は他に素材(生豆)の品質起因の場合もありますが)

自身で言うのもなんですが、雑味の無い焙煎ルーティンは、ほぼ出来ていると思っています。一方でこれらが達成されたらそれでいいのか?と言うと味の世界には未だ未だ先があるとも思っています。いろどりこーひーを飲んで下さるお客様にとって『本当に美味しい!』、『本当に魅力的!』と感じて頂ける更なる高みの世界です。

音楽の世界では絶対音感を持った方が稀にいらっしゃいますが、味の世界で絶対味覚のようなものが持てたらどんなに素晴らしい世界が開けるのだろうなんて思ってしまいます。流石にそれは難しいとは思いますが、高めると言う取り組みはずっと続けたいと思っています。

より美味しいコーヒー豆を作るには、焙煎、カッピング、焙煎、カッピングをひたすら繰り返すこと、すなわち研ぎ澄まされた味覚軸のもと評価、改善の仮説を立て再度焙煎、検証を繰り返すことだと思っています。これには近道と言ったものは無く、継続、そして歳月を重ねるしかありません。正に”不器用の一心”ですね。

とは言いながら正直、僕の味覚はまだまだ途上だと思っています。味覚を磨きたい!味覚を高めたい!本当にそう思います。問題はその磨き方です...それはまた、次回以降触れさせて頂きます。

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな生活に“彩り”をお届けします。

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