No.217_コーヒーの余韻の魅力

皆さまは“コーヒーの余韻”と聞いてどんなこと(状況)が思い浮かびますか?

僕はコーヒーの余韻は、先ずは「心地良いもの!」、そして「かなり長く続くもの!」と思っています

その「かなり長く」ですが、数分と言ったものではなくて、例えば朝、自宅でコーヒーを飲んで、通勤が小一時間だったとしたら、電車に乗っている間中...みたいな感じです

ところで味を感じる仕組みは、味覚と嗅覚の相互作用で成り立っているそうです。味覚は舌の味蕾(みらい)と言う味覚受容体で味をキャッチし、嗅覚は鼻でキャッチする香り(アロマ)に加え、口の中から鼻腔を通じて立ち上がる香り(フレーバー)も重要な役割を果たします。何れにしてもこれらキャッチされた信号が神経を通じて脳に達したところで、固有の味として認識され、それが余韻に繋がっていくと言ったメカニズムのようです...

と、ここまでは単に調べて知った内容ですが、ここから先は僕自身の日常(焙煎)から感じていることです

コーヒーの評価において(もしくは食全般に言えることかもしれませんが)余韻はとても重要な要素だと思っています。と言うのも余韻は“コーヒー”に対する満足度を高めたり、印象を強化する上でとても重要な役割を担っていると感じるからです。因みにここで“コーヒー”と申し上げたのは、物質としてのコーヒーではなく、「コーヒーを飲む習慣」、もっと言うと「コーヒーのある暮らし」と言った意味合いです

僕は日常のコーヒー豆作り(焙煎)において、この「心地良い余韻をもたらすコーヒーをご提供したい」と言うのが、基本的な命題になっています

その大前提として先ずは「ネガティブな風味がない」と言うことです。それは生豆起因であったり焙煎起因でも発生するのですが、過去のつぶやき(No.111No.132等)でも何度か取り上げたのでここでの詳述は割愛します

前述の「ネガティブな風味がない」に続くのが、「魅力的な風味を持っている」です

ではその魅力的な風味というのは何だ?となるのですが、これは「産地ごとに異なるコーヒー生豆固有の酸が焙煎を通して甘さに包まれた状態」、「酸と甘さの調和」とでも言いましょうか...

ただ、この真の意味合いは言葉ではなかなかお伝えし辛いとも思っています

「酸」と聞くだけで嫌っ!と反応される方もいらっしゃるかとは思うのですが、質の良い酸は、フレッシュさや、フルーティさ、フローラル感、明るさ、華やかさ、クリアーさ、心地よさをもたらしてくれる無くてはならないものです(つぶやきNo.205に詳述)

それを甘さで包む、甘さでバランスさせるのは、正に焙煎人の仕事(役割)です

もちろん素材有っての焙煎ですが、焙煎による化学変化を適正に行うとそれらの酸を甘さで包むことが出来るのです。この甘さが融合することで、コーヒーは優しさ、丸み、深みを備えることになります

感動的な味、心地良い風味は深く記憶に刻まれます。それが次の一口を進め、そして今日も一杯!となるのだと思います

そんな皆さまのコーヒーライフのお役に立てたら、これほど嬉しいことはありません。それが僕の日々のモチベーションです^^

 

いろどりこーひーは珈琲豆を通して、皆様の心豊かな暮らしに彩りをお届けします

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